佐世保独楽は、日本の佐世保市で生まれた伝統的な玩具であり、約300年の歴史を持つ。元々は漁師たちが暇な時に作ったとされ、初期の独楽は木製でした。
やがて地元の職人たちが技術を発展させ、美しい模様や色彩の陶製独楽が作られるようになりました。
独楽は、その優雅な回転と芸術的なデザインが人々の心を惹きつけ、日本全国に広まりました。
佐世保独楽の形は「ラッキョウ型」と呼ばれており、木の種類はブナ科のマテバシイという広葉樹です。
逆さまに持って投げると、ひとりでに起き上がって廻るという日本でも珍しいコマとなっています。
上部の色あがやかな色は「陰陽五行説」に影響されており、青(緑)、赤、黄、白(生地の色)黒の五色で構成されています。
この五色は世界や宇宙を意味すると言われています。独楽の先端には剣(ケン)と呼ばれる独特の形の鋭い鉄が打ち込められています。
佐世保独楽の掛け声でこの言葉は、どれだけ長く廻せるか全身全霊をかけて勝負をしようという意味が込められています。ラッキョウ型の形状と正八面体の剣、鮮やかな色彩は縁起が良いとされています。民芸品としては昭和二十四年、昭和天皇御巡行の折り献上品として贈られこれを契機に玩具から伝統工芸品として創作が始りました。
昭和三十五年には、通産省の日本手芸輸出調査のため来日したラッセン・ライト調査団の著名なデザイナーのケラー女史に日本を代表する民芸品として賞賛されニューヨークの展示会へ出展されました。
卯之助が材料屋として始め、初代貞右衛門が独楽事業部門を作り、二代目により民芸品としての創作が始まり長崎県指定伝統的工芸品として三代目に継承されています。
現在では四季折々の独楽を創作しながら次代の子供たちに佐世保独楽の継承と遊び方を普及しています。
佐世保を代表する郷土民芸、佐世保独楽。別名「喧嘩独楽」とも呼ばれている古くからの玩具。
鉄製の菱形のケンをもち、その一つひとつを手作りしており、長崎県指定伝統的工芸品は、佐世保独楽本舗で制作された独楽のみの指定となっています。
四季折々のこまを製作していて、こまを使った展示会なども開催しており、佐世保の民芸品の代表格となっております.
妻の実家、佐世保独楽本舗を継ぐため銀行員の仕事をやめ、先代(義父)に師事して技術を習得、現在は三代目山本貞右衛門を襲名して活躍中。
長崎県特産品新作展最優秀賞など多くを受賞し、現在は実演や色付け体験を行うなど、伝統工芸の素晴らしさを伝える活動も行なっている。
本名:山本敏隆。
1958年佐世保市生まれ。
1976年佐世保商業高校卒業後、親和銀行入行。
1984年から独楽製造業に従事。
1987年三代目山本貞右衛門を襲名。